山林への想い
山の木を伐採し、製材し、市場に供給する。
一見すると、森林資源を一方的に消費しているかのような印象を受けるかもしれません。
しかし実際は、山の活性化にもつながっているのです。
良質の原木を得るためには、気の遠くなるような長い年月と多大な労力が必要となります。
下草を刈り、枝打ちを行い、間伐材を間引くことで、木は大きく育ちます。
その根は山の大地に深く食い込んでいき、土砂を繋ぎ止め、大量の雨が降ったとしても山が崩落することを防いでくれます。
このように、山林の手入れを行うことによって、山全体が保水力を持ち、大きな災害を防ぐことになるのです。
また、人の社会と自然との共存は、SDGs(持続可能な開発目標)などが掲げられる現代では、非常に重要な課題となってきています。
そういった時代の中で、人が手入れをすることによって生まれる里山の美しい風景は、人と自然その両方が共存する理想の有り様を示しているのではないでしょうか。
近代林業の移り変わり
戦後、戦時中の軍需用材、戦災復興に伴う旺盛な木材の需要による乱伐や皆伐によって、保水力を失った山の自然災害が多発し、政府は災害対策のため「拡大造林政策」を行い、成長の早い針葉樹の植林を奨励しました。
しかしその後、木材輸入の自由化に伴って価格の安い外材の需要が高まり、国産材の価格が高騰したことによる需要減などが原因となり、国内の林業の衰退がはじまりました。
その後も、木材に変わる建築資材の台頭や建築物の不燃化の流れ、建築業界の様式の変化などによって需要の減少が進み、それに伴って林業従事者・製材所・材木店なども減少傾向にあります。
その一方で、エンドユーザー層には健康志向・自然回帰の考え方が広がる傾向にあり、木材製品の価値も見直されつつあります。
また、昨今の世界的なコロナ禍の影響により、従来は安価で大量に輸入されていた外国産材が極度の品薄となり、価格が急激に上昇する「ウッドショック」なる現象が発生しています。
そのため建築業界は新たな木材の確保先を探しだし、下降線を辿っていた国内産材の需要が増加して、その価値が見直されています。
しかし、他府県に比べて大阪府では豊富な森林資源があるというアピールが弱く、世間での認知度が低いと言わざるを得ず、それらを製材した良質な木材製品を地産地消で安定供給できるという点に関しても、あまり知られていないのではないかと思います。
大阪の中心部からわずか1時間足らずの場所に、雄大な自然が広がっていることを、もっと多くの人々に知っていただきたい。
このホームページは当製材所の紹介という面だけでなく、当製材所が位置する和泉市の山林、大阪府の豊かな自然、日本の林業、少しでもそれらのアピールとなればという想いで運営しています。
国産材と外材(外国産木材)
国産材は高温多湿の日本の風土で育つため、その環境に適しており、シロアリや腐朽菌にも強く、建材として使用する際にも耐久性が高く寿命が長いという特徴があります。
国産材は価格が高いとのイメージもありますが、企業努力によるコストカット、地産地消による輸送費・輸送時間の削減、おおさか材認証制度による補助金などを利用して建築すれば、コストを抑えて使用することができます。
一方、外国産材はコストパフォーマンスに優れているというメリットがあります。
しかし、昨今の世界的なコロナ禍の影響による価格の高騰、高温多湿の日本の風土では腐りやすくシロアリにも弱い傾向があるため、日本国内での建築であれば、国産材のほうが優れていると言えます。